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Pills&Bombs by Dr.Ops (Seed Bombs)

Pills&Bombs by Dr.Ops (Seed Bombs)

Camila De Ezkauriatza

Category : STUDENT
By Camila De Ezkauriatza (メキシコ)

Profile

Camila De Ezkauriatza

メキシコのモンテレー大学でグラフィックデザインを学んでいる4年生。 主に写真とパッケージデザインに焦点を当てている。

What did you create?

都市部にある小さな緑地で、勝手に野菜を育てたり、花を植えたりする「ゲリラガーデニング」活動を支援するブランドとプロダクトのプロトタイプ。Pills&Bombsのパッケージには、タネ爆弾(ココナッツ粉、食品着色料、種子で作られた)が含まれています。ブランディング全体はカラフルで大胆なものの、フレンドリーで、社会的アクションが歴史の多くを占め、デザイン(グラフィック、建築、工業、 アート)に反映された60年代と70年代のビンテージのパッケージに敬意を表しています。

Why did you make it?

海外のサマーコースで先生のうちの一人がゲリラガーデニングを紹介してくれたからでした。私はそんな活動が存在することもそのとき初めて知りました。ゲリラガーデニングのコミュニティには、文字通り外に出て、問題を手に取り、私たちの現状について何かアクションを起こす、そんな希望に満ちた前向きなエネルギーを感じました。
地球温暖化は現実であり、私たちが世界を変える唯一の方法は、ただ行動を起こすことです。ゲリラガーデニングは楽しく、そして美しいものです。より多くの人々がそれについて知り、それを実践することでその変化の一部になることができることを感じられると考えています。

How did you make it?

まず始めにあらゆる種類のゲリラガーデニングと、その周辺のコミュニティ、その方法、自宅でのタネ爆弾の作り方についてリサーチをしました。
植林コミュニティ、ゲリラガーデニングに関する私の都市のルールについて尋ね、街で繁殖する花や、カラフルで環境にやさしいタネ爆弾を作るのに適した材料に関する研究を進めました。また、ビンテージのパッケージとグラフィックや書体、カラーパレットについてリサーチし人々が手に取りやすいブランドパッケージを制作しました。タネと粉末を混合し透明の水溶性野菜カプセルに詰め、「タネ爆弾」を制作しました。

JUDGES, COMMENTS

  • 松村圭一郎
    岡山大学文学部准教授 / 文化人類学者

    誰もが街に緑を増やす戦いのゲリラ兵になれる。このかわいいパッケージの「爆弾」をポケットにしのばせ、大都市の空き地やコンクリートの隙間に種の爆弾を投下する。そんな自分の姿を想像すると、わくわくしてくる。これみよがしのハイテクも、近未来的な世界観を装うプレゼンも、もうお腹いっぱいだ。この作品は、ちょっとしたアイディアとデザインのセンス、それにひかえめなテクノロジーも偲ばせながら、手にする人の心を動かし、みずからの手でほんの少し街を変えられるという希望を抱かせてくれる。それは、この作品の完成(街に緑を増やす)が、手にする人に委ねられているからだ。アートも、テクノロジーも、芸術家や技術者の専有物ではない。アートやテクノロジーを豊かなものにするプロセスに、鑑賞者や消費者が楽しみながら参画する。そして自分とその周囲の人たちの経験世界を拡張していく。それがコンヴィヴィアルな世界をつくりだすのだ。