FINALIST
The Newborn Corn or The Colonization of Seeds in the Era of the Transgenics
Category : GENERAL
By Gerardo Nolasco-Rózsás (ドイツ)
ジェラルド・ノラスコ・ロサス(Gerardo Nolasco-Rózsas)
メキシコシティで生まれた多分野にわたる(学際的な)アーティスト。ドイツのカールスルーエに住み活動しています。ノラスコ・ロサスはメキシコシティのサン・カルロス・アカデミーとヌエボムンド大学(UNUM)で学びました。 彼はUNUMで記号学と芸術理論を教え、メキシコのプエブラにあるUNARTEで絵画、ニューメディア、写真を教えました。 彼はチョルラ、プエブラ、エスパシオセロ、ドン・アポロニオ・プレゼンタに2つの非営利の展示会場を設立し、そこで芸術監督も務めました。ノラスコ・ロサスは、メキシコおよび海外の多くの美術機関やギャラリーに数々の出展をしています。
The Newborn Cornは、ミッキーマウスの胎児に形取られ遺伝子組み換えのトウモロコシ生地で作られた彫刻です。マヤ・キッシュ宇宙論(ポポール・ヴーという題名)では、トウモロコシはその土地原産だったので、人間はトウモロコシの生地で作られたとされます。The Newborn Cornは隠喩的に、モンサントトウモロコシの深刻な環境と社会的影響に注意を喚起する一方で、マヤ神話を書き換えています。私は遺伝子組み換え作物を媒体として使用し、遺伝子組み換え技術が及ぼす予測と社会への影響が伝わる作品を作りました。このプロジェクトはJean Baudrillardのシミュレーションのコンセプトに基づいています。コピーとしてのシミュラクラの理解は、オリジナルと偽物の判別や、「天然」と遺伝子組み換えの栄養製品を区別できない視聴者の感覚を混乱させます。
数年前からモンサント社(現在のバイエル社)はメキシコに遺伝子組み換えトウモロコシを導入しようとしてきました。そして、Demanda ColectivaMaíz運営者のおかげで、(法的手段で)導入はできなかったのです。その訴訟は、遺伝子組み換えトウモロコシの放出や播種が食物、健康、先住民に対する人権同様に、現在及び将来の世代の、天然トウモロコシの生物学的多様性に対する人権を損なうと宣言する判決を連邦裁判所に求めています。もし彼らが成功するとなれば、多種多様なトウモロコシ種子が危険にさらされます。メキシコは原産地であり、また世界中のトウモロコシ種の主要な遺伝的貯蔵所でもあるのです。メキシコへ遺伝子組み換えの参入を許可することとなると、遺伝子組み換えが他の種のトウモロコシを汚染し、植物の遺伝的記憶を失う危険がでてきます。
種は文明のプロセス内で栽培され、自然のものではありません。私たちはこれらの原産地の相続人であり、企業がその知識を得ることを許してはなりません。種子は人類の遺産です。 彼らは、トウモロコシだけでなく、米や大豆など、他の種の集団的知識の総計を適切なものにしたいと考えています。これらの企業は、原産地を欲し、特許を取得し管理するため、奪いたいと考えているのです。
彼らは生命の特許を取得し民営化したいのです。
「nixtamalizacion」と呼ばれる特別メソアメリカンプロセスを介した遺伝子組み換えコーンの種子から、生地を用意し、それを彫刻の主要な材料として使用しました。