YouFab Global Creative Awards
2016 Winners

2016年8月1日-11月7日まで募集が行われた
YouFab Global Creative Awards の受賞作品を発表!
31カ国、総計 196作より選ばれた、23の受賞作をご覧ください

受賞作展示会: 2017/3月8日 - 3月19日 渋谷ヒカリエ 8/ CUBE 1, 2, 3

icon GRAND PRIZE

OTON GLASS

OTON GLASS

By 株式会社 OTON GLASS (日本)

OTON GLASSは、視覚的な文字情報を音声に変換することで、文字を読むことが困難な方の「読む」行為をサポートするスマートグラスです。視点と同一位置にあるカメラで撮影した文字を、文字認識技術でテキストデータに変換、音声として読み上げることで、ユーザーは文字情報を理解することができます。

icon FIRST PRIZE

干渉する浮遊体

干渉する浮遊体

By 干渉する浮遊体 (日本)

シャボン玉は、はかなく消えるもの。そのようなイメージを打ち破り、自然の美しさに対する認識を問い直す作品です。

上空から降り注ぐシャボン玉がガラスの器の中に浮かび、シャボン玉の揺れや破裂に音と映像が呼応します。シャボン玉の美しさ、生まれてから消えるまでの微細な変化や儚さを空間全体から感じとることができます。

icon Yamaha AWARD

OTON GLASS(Yamaha)

OTON GLASS

OTON GLASSは、視覚的な文字情報を音声に変換することで、文字を読むことが困難な方の「読む」行為をサポートするスマートグラスです。視点と同一位置にあるカメラで撮影した文字を、文字認識技術でテキストデータに変換、音声として読み上げることで、ユーザーは文字情報を理解することができます。

icon STUDENT AWARD

IrukaTact: Submersible Haptic Glove

IrukaTact: Submersible Haptic Glove

By Aisen C. Chacin (日本)

IrukaTactは、水中に沈んだ物体の位置を特定するのに役立つ「水中型触覚探査グローブ」です。イルカのエコーロケーション(反響定位)に着想を得て作りました。超音波距離測定器を使い、水中や浸水区域の地形を探査し、ユーザーの指先に信号を発信します。

icon GENERAL AWARD

This New Technology – The World’s First Analog 3D Printer

This New Technology - The World's First Analog 3D Printer

By DANIEL DE BRUIN (オランダ)

モノをつくるワクワク感を味わい「自分で作った」ことを証明するためにつくられたアナログの3Dプリンター。約10kgの重りを吊るすと、その重りが重力に引かれる力を動力として、3Dプリンターが動き始めます。手作り感をおぼえながら、個性溢れる昔ながらの陶器を作ることができます。

JUDGES, COMMENTS

  • Luki Huber

    田中 浩也

    慶應義塾大学環境情報学部教授 /
    SFCソーシャルファブリケーションラボ代表

    「Fab」の定義(あるいは含意)を、単に「デジタルファブリケーションツールを使うこと」と狭くとらえてしまったなら、3Dプリンタやレーザーカッターがこれだけ一般的になった現在、これ以上の大きな発展はあまり見込めないであろう。しかし、実際に「ファブ施設」周りで世界中で次々と起こっているプロジェクトの裾野は広大である。「既存の3Dプリンタやレーザーカッター」があくまで手段のひとつとしか使われていないのは当然として、実際ほかにも、既存の販売されている工作機械を超える「自作3Dプリンタやデジタルファブリケーションツール」、ArduinoやRasberry Piなどの電子回路、多様な新素材、過去からあった工芸との融合など、世界にある「ほぼあらゆる」技術や技芸が総動員され組み合わされて、新たな創造が生まれているのである。

    そのような現実のなか、改めて「Fab」とは何だろうか?多様なプロジェクトのあいだの共通性をひとつだけあげれば「デジタル(情報世界)とフィジカル(物理世界)の往復と連携の模索」ではないか。これを「Fab」の(ひとまず現時点での)定義として呼び掛けてみたい、というのが、YouFab2016が始まった時点で私が考えたことだった。

    その後、コンテストを通じて、「デジタル(情報世界)とフィジカル(物理世界)の往復と連携」は、「技術」のレベルだけに限らないことがあらためて浮かび上がってきた。たとえば「感性」のレベルで、「デジタル的な軽さと、フィジカル的な重さをどう共存させるか」。「価値」のレベルで、「デジタルによって生まれる”新しさ“と、逆に改めて問い直される”古さ“」をどう掛け算するか。あるいは「思想」のレベルで、「デジタルによってうまれるグローバルなデータフローと、フィジカルがもつローカルの地理的な制約」をどこで止揚させるか。

    そういった、真逆/対極にあるモノゴトを、何かを「つくる」ことによって「つなげて」いきたいという想いにあふれていたのである。

    こうした、「つくること」と「問うこと(問い直すこと)」が合体した、「模索、実験、試行錯誤」の日常化こそが「Fab」の真骨頂であり、そして理想である。われわれは、つくることで問うことができるようになり、そして、机上で問うのと異なり、「つくる」という実践を行えば、問い自体を問い直し、スピンアウトさせ、他者との関係を構築することもできる。その意味で、Fabは、「Manufacturing (製造)」とは異なる、「つくることの価値」の再検討を表す概念である。そして、Fabでつくられるものはやはり、その製作者の「分身」なのではないかと思われる。

    YouFab2016では、「カテゴリー」ごとの募集をやめたことから、Fabの現在形がより鮮明に表れる結果となったように思う。Fabはまだまだ終わらない。むしろ「3Dプリンタやレーザーカッター=Fab」から卒業できたことが、今年の最大の成果であっただろう。さて、次にどこにいけるだろうか。

  • Luke Yeung

    Natalia Arguello

    コンサルタント

    YouFab2016の審査員を務めることができ光栄に思っています。「デザイン」「アート」「テクノロジー」が交わる場所で生まれた創造力や情熱を目の当たりにして、とてもワクワクしました。このようなアワードは、経験の長さにかかわらず、新しいテクノロジーやツールを使うことで、デザイナーは日々の問題を解決できるものということを示してくれます。この一年間のチャレンジは確実に、デザインの実践とデザイン界を向上させることでしょう。皆さんの今後の活躍も期待しています。

  • Luki Huber

    Nicolas Lassabe

    Artilect 共同設立者 /
    ORCAS共同設立者

    YouFab2016の審査員ができて光栄です。応募作品は年々レベルが上がっており、そのクオリティの高さに感心させられました。参加者のみなさんの創造力を称えたいと思います。
YouFabは、誰でもデジタルファブリケーションを実践でき、革新的なものづくりができることを見せてくれます。
この挑戦はものづくりの文化を見せる場であり、デジタルファブリケーションが普及する中で、他とは違ったものづくりができることを見せる場となりました。
今年のYouFabがきっかけとなり、もっと多くの人々が参加したり、或いは単に「自分でやろう」と思う人が増えることを願っています。

  • Luke Yeung

    Singh Intrachooto

    建築家 /
    OSISUデザインプリンシパル

    YouFab Global Creative Awards はデジタルファブリケーションに留まらず、その先を見据えていると感じます。

    今年の参加者はとても多様で洞察力があり、順位をつけるのがとても難しく感じました。Fabというコンセプトを提唱したニール・ガーシェンフェルド教授がいうように、FabというのはFabrication(ファブリケーション)ではなく、Fabulous(素晴らしい)!という言葉を表していると思います。

    YouFabの作品の多くは、単に作品を作るというのではなく、デジタル技術によって、社会構造を結び付けています。科学や工学の分野で取り組んだ作品もあれば、人間的で心に訴えるような形で取り組んだ作品もありましたが、どちらにしても、どの作品も私たちに幸せと好奇心を与えてくれました。今回のYouFabでは、幅広い社会的な側面においてアート、デザイン、科学や工学といった要素が組み合わさり、問題解決や未来の技術に向けた画期的な発想で溢れていると感じました。受賞された方々、おめでとうございます。そして、これからもたくさんの作品を楽しみにしています。

  • Luke Yeung

    Kyle Li

    Program Director of
    BFA Design & Technology
    at Parsons School of Design

    審査の過程で、国や文化を超えたデジタルファブリケーションのシナジーを感じることができました。メイカームーブメントは物を作る方法に革命を起こし、YouFabのような国際的なアワードは、文化交流の融合を起こし、独創的な考え方を後押ししています。今後、Fabの定義は、より優れた直感的なツールや、AIによって進化し続けるでしょう。そして近い将来には、もっとダイナミックで効率的に、クリエイティブな作品が作られるようになるでしょう。応募者のみなさんが生み出した、あらゆる創造性と前向きなエネルギーに感謝します。私たちのルーツであるものづくりを続け、未来のメイカーを目指し、この素晴らしい冒険を続けましょう!

  • Seiichi Saito

    四方幸子

    クリエイティヴ・キュレーター

    Fabが成熟・洗練し、Fab2.0の時代に突入したことを強く感じた。複雑かつ有機的、より触覚的で「なめらか」さが前面に出てきたという印象である。とりわけガーメント(身体に纏うもの)、エコ、バリアフリー、バイオミミクリなどにおいて突出したものが目立った。Fabは広く異なる知覚や立場の人々、ひいては人間を超えたものの知覚を疑似体験し共有する場を提供しつつある。夢のようなアイデアと実践的な社会の問題解決というソーシャルな側面は、今や両立する。開発においても、異なる専門家がコラボによりプロトタイプを公開し、フィードバックを取り入れるというオープンな方法がますます活発となっている。と同時にFabの原点に立ち返り、ユーモアや批評性をもつエントリーに際立つものがあった。全体にプロダクトや産業系のものが多く、アートやハック系が少ないのは時勢的なものなのか。審査は、いくつかのエントリーに評価が集まり、おおむねスムーズに進んだ。多様な作品の応募があり、全体的にレベルが高かったが、とりわけ学生のレベルの高さが印象的に残っている。

  • Luke Yeung

    Natalia Arguello

    コンサルタント

    YouFab2016の審査員を務めることができ光栄に思っています。「デザイン」「アート」「テクノロジー」が交わる場所で生まれた創造力や情熱を目の当たりにして、とてもワクワクしました。このようなアワードは、経験の長さにかかわらず、新しいテクノロジーやツールを使うことで、デザイナーは日々の問題を解決できるものということを示してくれます。この一年間のチャレンジは確実に、デザインの実践とデザイン界を向上させることでしょう。皆さんの今後の活躍も期待しています。

  • Luke Yeung

    Singh Intrachooto

    建築家 /
    OSISUデザインプリンシパル

    YouFab Global Creative Awards はデジタルファブリケーションに留まらず、その先を見据えていると感じます。

    今年の参加者はとても多様で洞察力があり、順位をつけるのがとても難しく感じました。Fabというコンセプトを提唱したニール・ガーシェンフェルド教授がいうように、FabというのはFabrication(ファブリケーション)ではなく、Fabulous(素晴らしい)!という言葉を表していると思います。

    YouFabの作品の多くは、単に作品を作るというのではなく、デジタル技術によって、社会構造を結び付けています。科学や工学の分野で取り組んだ作品もあれば、人間的で心に訴えるような形で取り組んだ作品もありましたが、どちらにしても、どの作品も私たちに幸せと好奇心を与えてくれました。今回のYouFabでは、幅広い社会的な側面においてアート、デザイン、科学や工学といった要素が組み合わさり、問題解決や未来の技術に向けた画期的な発想で溢れていると感じました。受賞された方々、おめでとうございます。そして、これからもたくさんの作品を楽しみにしています。

  • Seiichi Saito

    四方幸子

    クリエイティヴ・キュレーター

    Fabが成熟・洗練し、Fab2.0の時代に突入したことを強く感じた。複雑かつ有機的、より触覚的で「なめらか」さが前面に出てきたという印象である。とりわけガーメント(身体に纏うもの)、エコ、バリアフリー、バイオミミクリなどにおいて突出したものが目立った。Fabは広く異なる知覚や立場の人々、ひいては人間を超えたものの知覚を疑似体験し共有する場を提供しつつある。夢のようなアイデアと実践的な社会の問題解決というソーシャルな側面は、今や両立する。開発においても、異なる専門家がコラボによりプロトタイプを公開し、フィードバックを取り入れるというオープンな方法がますます活発となっている。と同時にFabの原点に立ち返り、ユーモアや批評性をもつエントリーに際立つものがあった。全体にプロダクトや産業系のものが多く、アートやハック系が少ないのは時勢的なものなのか。審査は、いくつかのエントリーに評価が集まり、おおむねスムーズに進んだ。多様な作品の応募があり、全体的にレベルが高かったが、とりわけ学生のレベルの高さが印象的に残っている。

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