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READY TO CRAWL

杉原寛 (日本)

Category : STUDENT
By 杉原寛 (日本)

READY TO CRAWL

3Dプリントで作られた生物型の機械群。

モーターを除く全てのパーツを連結した状態でプリントすることで、生物のように完成した姿で産まれてくる。粉末式の3Dプリンタで出力後、余分な粉を取り除き、モーターを挿入することで歩き始める。

3Dプリントは造形精度が低く、一般に機構の製造には向かないとされる。しかし本作品では、複雑曲面や柔軟構造といった3Dプリントの特色を生かすことで、むしろ単純な機構から「滑らかさ」や「柔らかさ」といった生物らしい動きを実現できることを発見した。これらの機構はCAD上で組み合わせることで、多様な動きを持った生物型機械群へと展開される。

本作品は3Dプリントにおける「動きのデザイン」の可能性を示すものであると同時に、生物のように産まれ動く未来の機械を想起させるものである。

制作プロセスと使用機材について

3DCAD (Rhinoceros)でモデリング後、粉末焼結式の3Dプリンター(RafaelⅡ550, Aspect)で出力する。出力後、余分な粉を取り除き、モーターを挿入することで動き始める。

JUDGES, COMMENTS

  • 田中浩也

    田中浩也

    田中浩也
    慶應義塾大学環境情報学部教授、SFCソーシャルファブリケーションラボ代表

    3Dプリンターの特性をよく吟味し、「それでしかつくれない」生物的な機構を美しく開発している点を評価したい。また、「3Dプリント出力物が3Dプリンタから自発的に歩いて出てくる未来」は、3Dプリンターの研究開発コミュニティにおける共通の夢のひとつでもある。それを実現する過程におけるひとつのアプローチとしても大きな功績がある。

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