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ファブ・スクーター(ハンドル形電動車いす)

倉本義介 (日本)

Category : GENERAL
By 倉本義介 (日本)

ファブ・スクーター(ハンドル形電動車いす)

私は2000年に交通事故で歩行困難になりました。

2009年に、私はハワイで電動スクーターに初めて出会いました。それはとても便利で感動的で、日本に戻ったら絶対に買うと決めました。しかし、自分の車に自分一人で積み降ろしができるような電動スクーターは日本では販売していませんでした。

2013年12月、私は田中浩也教授の著書『FabLife』を読み、感動し、私の人生の残りの部分をFabに捧げることを決心しました。2014年7月、バルセロナで行われていたFab10(第10回世界FabLab会議)のワークショップ”Open source Fab city car project”の写真や動画を見ました。そして、合板を使えば電動スクーターを自分で作ることができると確信しました。金型は必要ないのです。すぐに、私は自分で考えた電動スクーターのイメージを123D Designで具現化しながら設計を開始しました。最初のバージョンは2015年10月に完成しました。設計開始から約1年かかりました。FabLabの協力で完成したので、私はこの電動スクーターを『ファブ・スクーター』と命名しました。Made in Fablabです。

私は、このファブ・スクーターを自分の車に一人で積み降ろしすることができます。そして、このファブ・スクーターでどこにでも行くことができます。

制作プロセスと使用機材について

電動スクーターの車体デザインはすべて自分で行いました。FabLab台北のテッドさんとHorng yinn社のニックさんの協力で、モーター付きのディファレンシャルユニット、モーターコントローラと設定ソフト、ホイールとタイヤを台湾から取り寄せました。合板の車体は、慶應義塾大学の田中教授の研究室にあるShopBotで切り出していただきました。

金属の構造部は自分で材料をカットして準備しました。そして、FabLab浜松へ持って行き、竹村さんの協力で溶接してもらいました。シートとハンドルは、ネットオークションで安く入手した電動スクーターのものを使いました。ボルト、ナット、ステンレススチールパイプ、キャスターなどの部品はネットショップで購入。どこにも売っていない部品(パイプジョイント、コントロールボックス、私の松葉杖ホルダーなど)は、自分の3Dプリンター(Cube3)で作りました。モータコントローラとコントロールパネルの配線、コントロールボックス内の基板、バッテリゲージ、USB充電ポートなども自分で作りました。スロットルレバーユニットは最近3Dプリンターで作ったものに交換しました。

JUDGES, COMMENTS

  • Kyle Li

    Kyle Li

    Kyle Li
    パーソンズ美術大学 プログラムディレクター

    このファブ・スクーターの製作者は、田中浩也先生の『FabLife』という本に刺激を受け、自分や人々のニーズに応えるべく電動スクーターを作るという旅に出ました。私は、製作者がデジタルファブリケーションについて何の背景知識もないところから始めたという点に強く惹かれています。強い覚悟と自発的な動機により、一からしっかりした電動スクーターを作り上げることに成功したのです。このようなプロジェクトが、これからもメイカームーブメントを推進していくでしょう。

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