Category : GENERAL
By FREE-D (日本)
これは3Dプリンターから生まれた「普通の服」です。
3Dソフトウェアの中で糸が編まれた状態でモデリングしました。アルゴリズムを組んでパターンを作成し、継ぎ目のない編み込みパターンを実現させています。”AMIMONO”とは日本の編み物のことです。
素材は、柔軟なTPU素材を使って出力しました。糸状になったTPU素材を編み込むことで同サイズの同じ素材よりも高い伸縮性を持たせることができ、布と同じような感触を持たせることができます。今まで、3Dプリンター製の服は、ショー用や展示用など限られた条件、用途での使用しかできませんでしたが、この構造と作り方で、日常での使用をより現実的にすることができます。
この作品は、3Dプリントという非日常的な存在が、私たちの日常に問題なく存在できることを示せた一例になると考えています。
http://free-d.net/
ワンピースをkinectで3Dスキャンし、Rhinoceros+Grasshopperで構造をモデリングした後、EOS社3DプリンターのTPU素材でプリントしました。
四方幸子
四方幸子
「編む」という行為は糸が規則的に絡まることで実現するが、もはや編むこともなく服が出力されるのが『AMIMONO』である。ソフト上で糸が編まれた構造をモデリング化し、3Dプリントされる編み物的なプロダクトは、編む行為に内在する時間やプロセスを経由していない。ものの構造や形態に含まれるプロセスから造形が切り離されることは、Fabでは常識ではあるものの、デイリーユースの服にまで拡張しつつあることは注目に価する。伸縮性など素材によって布よりも高性能となる面に期待したいが、着心地、動きやすさ、ケアや耐久性、コストなど今後クリアされる課題がいくつかあると推測される。今後の展開を楽しみにしたい。