パンデミックによって、私たちの仕事や暮らしぶりは極端に変化した。 ソーシャルディスタンスを保つためロンドンのような主要都市の公共交通機関は満員で運行することが出来なくなった。 その結果、「歩行」が人々にとっての新たな習慣、レジャーの一つ、あるいは日常の交通手段として採用されつつある。 「シティ・グライダー」は歩幅と歩行閾値を広げることで歩行体験を向上させる。 軽量で人力かつ手間のかからないフットウェア内の空気圧機械システムは、かかとからの衝撃で消費された力を利用し、中心位置でそれを解放することによってユーザーを最大12%前進させる。 より長い距離を歩き、もっと冒険する力を与えてくれる。 私の研究では、歩行閾値を広げることで、人が他の交通手段よりも歩くことを選ぶ可能性が高まるかもしれないということが示されている。 そうすることで、乗り物の使用量を減らすことができる。渋滞や事故、二酸化炭素排出量を減らすことができる。パンデミック後も効率的で持続可能なモビリティの未来に向けて、一歩前進するものであると考えている。
Phua Wei Qiang Frederick
Singapore
プロダクトデザインと工業デザインのバックグラウンドを持つシンガポール人デザイナー。 テマセク・ポリテクニック・スクール・オブ・デザインを卒業し、国の兵役を終えた後、2010年にデザインの知識を広げるために日本に渡る。 名古屋芸術大学にて芸術の学士号を取得し、卒業後ヤマハ発動機株式会社に採用される。 ヤマハグロリアス、グランドフィラーノハイブリッド、E01など多数の作品を手がける。 2018年には、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートとインペリアル・カレッジ・ロンドンの2つの修士号(イノベーション・デザイン・エンジニアリングのMAとMSc)を取得するための奨学金を得て2020年に卒業。 個人的なプロジェクトのいくつかは、ジェームズ・ダイソン賞やIFデザイン・タレント賞でも評価されている。 社会に意味と価値をもたらし、すべての人の生活水準を向上させることを目指している。 他者に限界を超えていく力を与え、パフォーマンスを高め、可能性を広げていく。
Instagram: fred3sign