Category : ART
By 井上智博(日本)
使用者自らの手で作られていた民族楽器。それが工業化による大量生産で誰でもお金を出せば手に入るようになった。その反面、作り方はブラックボックス化し、作る人と演奏する人は分離してしまった。以前あったメイクの文化を再考し、新しい現代のツールでリデザインする。民族打楽器、アサラトからパチカの系譜の延長線上に、3D プリンタという新しい道具を使ってつくることのできる新しい楽器(デジタル民族楽器)を提案する。
本プロジェクトでは、デジタル民族楽器のつくり方を学び、演奏の仕方を学び、最終的には、DJの音楽に合わせて演奏するというワークショップイベントを実施した。
https://www.facebook.com/events/341942789349060/
民族打楽器をリメイクして、誰でもつくりやすいように、家庭用の3Dプリンタでも造形しやすいようにモデリングした。
使用したデジタル工作機械は、3Dプリンタのみ。モデリングした楽器の外側を3Dプリンタにより出力し、中に音のなるもの(小石でもなんでも)をいれて組み立て、ひもを通して縛ればデジタル民族楽器の完成である。
デジタル民族楽器の作り方
http://fabble.cc/tomohiroinoue/xxxxxxxxx
田中浩也
田中浩也
デジタル技術という普遍的でグローバルな存在を、民族的なローカルな要素とかけあわせて表現しているところに大きな意味がある。今後、楽器としてどれだけの表現力があるのか、あるいは、パフォーマンスとしてどれだけ面白い「音楽」が生まれているか、といった作品クオリティでも勝負できれば国際的に展開できるはずなので、ぜひプロジェクトとして継続してほしい。