Category : ART
By Joelle Bitton(フランス)
『Twipology』は、「#whatever」「#system」「#control」 「#radical」「#surface」 「#cigarette」「#pink」「#raw」「#passage」「#abstract」「#kindergarten」「#superficial」のハッシュタグが付いた1ヶ月間のツイートから作られた庭園です。これらのハッシュタグは、言葉の曖昧さという観点から選ばれています。日本の枯山水にインスパイアされたこの庭園は、ツイッターのフィードをもとに、細かい部分や模様を生成しています。観客は、歩き回ったり、座ったり、休んだり、瞑想したりしながら、何時間でも何日でもこの庭園で時間を過ごすことができます。
『Twipology』はデジタルファブリケーションにおける個人データ使用への批評作品です。また、本プロジェクトは、インタラクティブなものづくりの形であり、ユーザーが工作機械を直感的に使えることを示唆しています。
http://superficiel.org/wordpress/twipology/
『Twipology』はツイッターのデータに基づき、ルーターで製作しました。人間が日常生活で生み出すデータを、デジタル工作機械と結びつけたかったのです。
ツイッターから上記のハッシュタグが入ったフィードが収集されると、文章の長さと使用された言葉の種類に基づいた形状に変換されます。そして、Rhino/Grasshopperのプログラムによって、空間の座標が生成されます。そのデータは、ソフトウェアのMasterCamに送られ、ルーターで切り出されます。本作品は、大きな発泡シートを、まる一週間機械にかけて製作されました。
齋藤 精一
齋藤 精一
この作品は、最近多く見られる単純なビジュアライゼーション作品と少し違い、データ自体の特性や意味などを消している作品です。何よりも成果物である庭が非常に美しく、作者の意図でもある時間を忘れて佇むことができる空間になっていると思います。近年ますます膨張して増えていくデータは、その意味の通りではなく、単なる法則性のある数字として使うことで、まだまだ経験のしたことの無い場所やものができるのかもしれません。そんなことに気づかせてくれる作品だと思います。