特別賞
HAPTIC DESIGN 賞
見る・聴くデザインから、
“触れるデザイン”へ
身体を通じて自己と世界をつなぐ
HAPTIC DESIGNを募集
わたしたちは日々、さまざまなモノやヒトと触れ合い、刺激を受けるその度に喜び、哀しみ、ときに感極まって涙を流す……わたしたちのからだは“センサーの塊”です。
ヒトの五感のひとつである、からだ全体で感じる感覚「触覚(HAPTIC)」のデザインは、触覚にフォーカスした「触れるデザイン」であり、身体を通じて自己と世界を繋ぐデザインです。
インターネットが日常化し、ネットと現実空間の境界がなくなりつつある“ポスト・インターネット時代”の今、表現には、よりリアリティやライブ感といった身体性が求められるようになってきました。
何かの目的のために、感覚的情報を設計することをデザインと呼ぶならば触れることだってデザインできるのではないでしょうか。
本HAPTIC DESIGN賞では、デジタルとフィジカルの境を軽やかに越えてつくられた「触れるデザイン表現の可能性を広げる作品・プロジェクト」のエントリーを期待しています。
- 振動や質感に留まらず、モノと人、人と人の体験を新たにする作品
- 社会との繋がりに新触感を与えるような作品
- 触覚を軸に新たな世界観を提示するような作品
デザインの新潮流になる可能性を持つHAPTIC DESIGNを一緒に開拓していきましょう。
ABOUT
HAPTIC DESIGNについて
触覚とは、身体を通じて自己や外界を認識する感覚です。
それは皮膚の接触を通じてモノの「質感」を感じる感覚であると同時に、対象または自己の存在を確かめる「実感」の感覚でもあり、また喜怒哀楽や対象への共感などの「情感」とも深い関連があります。
HAPTIC DESIGNは、この触覚の特徴的な3つの側面を意識的に捉え、触り心地や情報伝達にとどまらず、人と外界との身体を通じた関係性をデザインします。
質感
モノとヒト
触覚のテクスチャーデザイン
実感
自己と環境
触覚のリアリティデザイン
情感
他者との関係性
触覚のコミュニケーションデザイン
JUDGES
審査員
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太刀川 英輔
NOSIGNER 代表 / 慶應義塾大学大学院SDM特別招聘准教授
太刀川 英輔
NOSIGNER 代表 / 慶應義塾大学大学院SDM特別招聘准教授
ソーシャルデザインイノベーション未来に良い変化をもたらすデザインを目指し、見えないものをデザインすることを理念に総合的なデザイン戦略を手がける。建築・グラフィック・プロダクト等のデザインへの深い見識を活かした手法は世界的に高く評価されており、グッドデザイン賞金賞、アジアデザイン賞大賞香港、PENTAWARDSプラチナ賞食品パッケージ世界最高位ベルギー、SDA 最優秀賞、DSA 空間デザイン優秀賞など国内外の主要なデザイン賞にて50以上の受賞を誇る。
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水口 哲也
Enhance 創業者 & CEO / 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD) 特任教授
水口 哲也
Enhance 創業者 & CEO / 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD) 特任教授
ビデオゲーム、音楽、映像、音楽ライブなどのエンタテインメントから、アプリケーション設計やVRに至るまで、多くの分野で創作活動を続けてきた。代表作は、『スペースチャンネル 5』(1999)、『Rez』(2001)、『ルミネス』(2004)、『Child of Eden』(2010)など。2014年には、米国にスタジオ「Enhance Incorporated(エンハンス・インコーポレイテッド)」を設立。2016年に発表した「Rez Infinite」は、米国The Game AwardのベストVRアワード(2016)など数々のアワードを受賞した。
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廣川 玉枝
SOMA DESIGN、クリエイティブディレクター/デザイナー
廣川 玉枝
SOMA DESIGN、クリエイティブディレクター/デザイナー
2006年「SOMA DESIGN」として活動開始。同時にデザインプロジェクト「SOMARTA」を立ち上げる。同年「身体における衣服の可能性」をコンセプトにボディウエアシリーズ”Skin”を発表。2007年S/Sより東京コレクション・ウィークに参加。西陣織老舗との協業により新時代の和装をコンセプトに[Kimono-Couture](2014)を発表。ASIAN COUTURE FEDERATIONのメンバーに正式加入(2014)。昨年10月には国内外初の単独個展「廣川玉枝展 身体の系譜 -Creation of SOMARTA-」を開催し話題を呼ぶなど活動の幅を多岐に広げている。
HOW TO ENTER
エントリーについて
「触覚(HAPTIC)」に通じる作品をお持ちの方は、YouFab 2017への通常応募と同時に、HAPTIC DESIGN賞への応募を行うことができます。
YouFab 2017 応募フォーム内にある特別賞のチェックボックスをクリックしてください。
PRIZE
賞について
特別賞 HAPTIC DESIGN賞
賞状 / 1000 USD
SELECTION CRITERIA
審査基準について
Haptic Design賞では、独自の審査基準で審査を行います。
- (新しさ)HAPTIC DESIGNの可能性を広げる、これまでにない新しいアイデアがあるか
- (深さ)触覚の多様性、幅広さを活かしているかどうか
- (体験のデザイン)表面的なデザインにとどまらず、豊かな体験をデザインできているか
- (社会へのインパクト)ひとと社会との関係性をアップデートしているか
OPPORTUNITIES
応募者への特典
受賞作品と優秀な作品は、HAPTIC DESIGN PROJECTのWEBサイト (http://hapticdesign.org/)で紹介をするほか、HAPTIC DESIGN PROJECT関連のイベントにて作品の紹介を打診する可能性があります。
また、HAPTIC DESIGN PROJECTが企業と実施する予定の共同開発プロジェクトへ参画を打診する可能性があります。
※HAPTIC DESIGN賞応募者の情報は、HAPTIC DESIGN PROJECTに提示され、上記の連絡⽬的でのみ利用します。
PAST HAPTIC DESIGN AWARD
過去のHAPTIC DESIGN AWARD 受賞作品
昨年HAPTIC DESIGN PROJECTが主催したアワード、
HAPTIC DESIGN AWARD 2016 で受賞した作品をご紹介します。
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稜線ユーザインタフェース
安井 重哉
公立はこだて未来大学 情報アーキテクチャ学科 准教授触覚にフォーカスした新しいスイッチインタフェース。既存のスイッチの「押す」「触る」といった操作ではなく、「指をスライドさせて知覚的稜線を超える」という動作をスイッチ及び触覚フィードバックの生成源として利用する。立体造形による視覚と触覚の両面からの情報デザインの世界を開拓する作品として評価された。
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積み紙 (tsumishi)
川崎 美波
東京藝術大学大学院和紙でつくられた“つみき”。赤ちゃんに対して自然とやさしく、緊張感を持って丁寧に触れ合うという動物・人間の本能な感情と動きに着想を得て、あえて繊細で壊れやすい素材でデザインされた作品。“積み木は壊れない”という前提を裏切り、触れることを意識させる点が評価された。
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LIP SERVICE
北 恭子 /迫 健太郎
電通 コミュニケーションデザイナー/Panasonic プロダクトデザイナー伝統的な人間の嗜好品であるタバコを、唇へのHAPTICな刺激という観点でアップデートを試みた作品。
10種の異なる質感素材で包むことで、唇で感触の違いを味えるものとして、従来のタバコの拡張ではなく、タバコに代わる新たな嗜好品が生まれる可能性を提示した点が評価された。